酪農経営

2012年7月12日 (木)

今はいいが・・・。

先日、ある人と穀物の先行きを話していて、

ふと、認識にズレがあることに気づいたので、書き留めておきたい。

「飼料の先行きはどうでしょうね?」

そう私が切り出して始まった、たわいのない会話なのだが、

「配合飼料は、値上げになりましたが、安定基金も出ますし」

「シカゴ相場も高騰していて、まだまだ値上げになるでしょうが、

安定基金も出ますし」

「それに、乳価も上がったことですから、問題はないでしょう」

「今、儲かっていない牧場はダメでしょ」

確かに、そうなのだろうと思う。

今、儲かっているのだから、それでいいのだろう。

しかしだ、この人のような認識がある限り、

経営に変化は起きないだろう。

異様な煽りを酪農家に与えることもないが、

5年先や10年先のことを案じた話は、けっして無駄ではないはずだ。

今よければ全て良し、おおいに結構だが、

異常に吊り上がった高価な穀物に助成をつけてもらいながら、

これまでと変わらぬ量を使いづつける業界も、

どこか異常だと思わなければならない。

ライズコンサルティングオフィス

酪農経営コンサルタント 加藤隆

2012年6月 6日 (水)

世界一の牧場目指して。

コンサルを受け持って1年経つ顧問先S牧場の牛たちです。

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コンディション、生産性、繁殖性、非常に良いです。

約80頭、乳房炎にかかるものもなく、全頭出荷で体細胞数10万/ml

放牧が本格化した5月下旬から6月初旬、特に、順調です。

このまま気を抜かず行きましょう!

放牧を取り入れている牧場の多くは、夏と冬の格差が大きすぎます。

生産性もそうですが、牛のコンディションが天と地ほどの差があります。

縁あって、コンサルを受け持つことになった、ここS牧場とは、

放牧時期に向けて、厳しい冬の間の管理に最善を尽くせることは尽くしてきました。

今、その結果が出ているのだと思っています。

牛を観て、あらゆることのバランスを取るために、修正をすることが重要です。

牛に任せている、と、多くの人は語りますが、

極めて重要な「観察」を怠ってはなりません。

次の課題は、育成牛です。

がんばりましょう!

ライズコンサルティングオフィス

酪農経営コンサルタント 加藤隆

2012年2月 4日 (土)

しんどいけど、成果出してもらうために。

7:27am 車中で少し休憩、そしてブログのアップを。

今は音更から約200km離れた、とある牧場に来ています。

夕べというか深夜、この町に来ました。

約3時間ほどの車中睡眠で、5時に牧場に入り、

ひと通り、確認しておきたい箇所を計測したり記録したりしてきました。

ほんとは、夕べもう少し早くこの町に入る予定でしたが、

知人の通夜に出たためで、それを終えてから200km車を走らせました。

少々しんどいのですが、先延ばしすると、また次の予定が入るため、

やむを得ずの強行訪問コンサルです。

早朝の訪問は、仕事の邪魔をしてはいけませんので、

挨拶だけ済ませ、淡々と予定していた事柄をこなしていきます。

現場と私の見解のズレを修正するためです。

誤解はないか、こちらの意図は伝わっているか、

こちらの予想するどおりの成果が出ているか、

それらにもしも疑問があれば、昼夜問わず現場に入るのが、

私のスタイルというか、なんというかわかりませんが、

今の私が持つ技量では、この手法が必要なのだと考えています。

そんなことで、1日も早く目標の成果までたどり着いてもらわなければなりません。

これが私の役目です。

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5:15amの牛舎の様子

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バンカーサイロ上の積雪は、1m以上。

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2012年2月 2日 (木)

さらなる飛躍を期待する。

「赤字額が、去年の3分の1に減りました」

そう言ってくれた牧場がある。

まだ紛れもない赤字なのだが、額が減ったことが嬉しかったのだという。

乳量が増えて収入も増えたことがその要因だが、

なにか、一縷の光が見えたような、そんな爽快な感覚だったのだろうか、

とても明るいコメントで、頑張った甲斐があったといった感じだった。

農業の使命というものを大局で考えたなら、

それは、国民のために継続できる産業でなければならない。

しかし、一個人として農業をとらえたとき、それは、生活の基盤となる。

つまり、その家族が暮らしていけるだけの利益を得ることができていれば、

その役目を果たしたことになる。

そのために、一家の主(あるじ)は稼ぐのだが、

現実は、稼げている牧場と、そうではない牧場がある。

皆が儲かってほしいと願うものの、そうはなっていない。

では、どうして皆が同じような結果にならないのだろうか?

いろいろ理由はあるのだろう、挙げればきりがないだろう、

だが、1つだけ言えることは、

稼げている牧場には、稼げている理由があるのだ。

農閑期に、集団で牧場視察などのイベントを入れるが、

それでは、稼げている理由は聞き出せない。

本当にそれを知りたいのであれば、

一人で訪ね、真摯に向き合い、教えを乞うのである。

そこの牧場で働く人たちは何をしているのか?

特に変わったことはしてないと、彼らは口を揃えるが、

けっしてそんなことはない、そこには必ず外せないコツがある。

一人で訪ね、教えを乞うのを、もしためらうのであれば、

それも仕方ない、そこでビジネスチャンスを逸しているのだから。

それでも、なんとか知る方法がないかと思うのなら、

その牧場をよく知る人に、聞いてみるといい。

そこに何年も出入りし、昼夜問わず、隅々まで知っている人から、

話を聞くといいだろう。

1年を通してその牧場は何をしているのか?

それを聞いて分析するといい。

そこには必ず稼げるポイントがいくつもあるはずだ。

今後のさらなる飛躍を期待する。

ライズコンサルティングオフィス

酪農経営コンサルタント 加藤隆

2011年10月15日 (土)

このくらいの波は乗り越えられる。

先が見えないというのは、本当に不安だ。

今まさに、TPPが打ち出されたことで我々の酪農の行く末が本当に心配だが、

自由貿易の流れというものには、やはり逆らえないのだろうと思っている。

かりにTPPは阻止できたとしてもだ、

その後の2国間のFTA(自由貿易協定)もしくは3カ国によるFTAは、ある。

なぜなら、少子高齢化による日本国内の消費低迷による不況要因がある以上、

国内の企業が収入を得ていくためには、外国とさらなる貿易をして、

企業が成長して行かなければならない、と考えるのが常識だと思うからだ。

収入を増やさねば、少ない若者で多くのお年寄りを支えることはできないのだから。

移民のない日本は、労働面でも外国に頼っていかなければならないこともある。

世代が入れ替わった、ある一定の時期が来るまでは、この傾向は続くだろう。

それまでの間、外との貿易が主体になるのは、やはり明白なのだと思う。

当然、我々の酪農業界もそれに漏れず、自由貿易の進展次第では、

経営の転換を余儀なくされる。

その相手国は、米国であり豪州であり、ニュージランドとなろう。

競争国と対する時、どのような酪農経営を選択しようかと悩むことになるが、

その悩みは、今抱えている借入金の度合いによると思っている。

借入金が少ない牧場は、どんな形への酪農展開も可動域があるが、

そうではない牧場は、そう簡単には転換できていけない。

今後、10~15年で自由貿易と対峙しなければならないとなれば、

これから施設をやろうとしているのであれば、おのずと投資額が決まってくる。

そして、今、借入したばかりの人は、その金額にもよるが、

10年後には、おおかたの返済目処が立っているくらいの、

経営になっていることが必要と思う。

牛の安楽性、高生産性、疾病の抑制には、施設は非常に重要だ。

理想的な施設にするためには、それなりの投資にもなる。

現に、理想的な施設を有し、100頭200頭の規模となれば億単位の高額となる。

「欲しい施設」と「今必要な施設」は、分けて考え、ことに当たるべきと思う。

今後、どのような経営に展開していくべきかの相談ごとが増えてくるだろう。

その時の基本(ベース)になるのは、

「自分はどんな酪農をしていきたいのか?」という明確なビジョンにあると考える。

それを持って、相談に当たるといいだろう。

すれば、結論は見えてくる。

酪農が本当に好きであるのなら、このくらいの時代の波は、

簡単に乗り越えられるはずだ。

まだまだ諦めるのは早いと思っている。

がんばろう。

酪農応援隊 

ライズコンサルティングオフィス 加藤隆

2011年5月29日 (日)

飼料設計だけの仕事

仕事の依頼を断ることがあります。

いや、これまでも断ってきたことがあります。

ある社長に言わせると、

「なんともったいないことを…」とあきれられたことがありますが、

良く考えればもったいない話ですがね、でも、自分の信念としました。

07年と09年に、あるTMRセンターから、

飼料設計の仕事を打診されたことありますが、お断りしました。

理由は、ただ1つ、この1点です。

おのおのの牧場が抱える低生産の要因、疾病の要因を改善せず、

エサだけ高品質のものを提供しても、根本の解決にはならないからです。

そこに最大の関心を払わない組合には、

申し訳ないけれど、せっかくの仕事でしたがお断りしてきました。

今もその考えは変わりません。

先日、2年で7,500kgだった個体乳量が9,500kgまで伸びた、

といういい話を聞きましたが、その代わり、

濃厚飼料も「こんなに食わして牛大丈夫か?」というほど、

食わすように指示された結果だということも併せて聞きました。

当然、収入も増えましたがエサ代も大幅に増えました。

7,500kgの時と、9,500kgになった今と、

乳量増ほどの伸び率が農業所得に得られたかどうか?

さらに、疾病はどうなのか?

ここでは詳しく書くことはできませんが、

飼養管理を変えずにエサだけ変えても、

乳検上の数字は伸びても、実際の経営内容が伴わなければ、

なんのための飼料設計だったのか?

言いたいことはそういうことです。

経営者の能力に合わせたエサの与え方をしなければなりません。

そして、画一的なエサでは、牧場にある問題は解決できません。

それがわかっている組合からの依頼であれば、

一生懸命やらせていただくでしょう。

お断りすることはありません。

酪農応援隊 加藤隆

2011年5月 9日 (月)

楽しいと思える酪農へ(3)

今は家族労働でいっぱいいっぱいだけど、

今後システム化して人も入れて、

もっといい牧場にしたい、もっと楽しい牧場にしたい、

と、がんばっているTO牧場。

最近、牛体もきれいにできて、乳房炎も減って、いい傾向です。

乳量は、100頭搾って、まずまずですね。

がんばれっ!

C

2011年5月 6日 (金)

楽しいと思える酪農へ(2)

今日は、TT牧場の乳検推移グラフを載せてみます。

昨夏は落としてしまいましたが、

今年の出だしは乳も増えてきているので、にんまりといった感じでしょう。

なんとか1年間をこの成績で終えたいとがんばっていますよ。

がんばれっ!

B

2011年5月 2日 (月)

楽しいと思える酪農へ

人によってそれぞれの感性があるだろうから、

どこで酪農を楽しいと思えるかには違いがあるかと思う。

ただ、生産が上がって楽しくないと思える人は、少ないのかなと。

私のコンサル先でも、生産が上がって、

とても楽しく仕事ができている牧場があるので、

紹介しておこうと思う。

KF牧場の乳検推移グラフを載せてみた。

過去最高のバルク乳量を継続し、

あともう少しで群平均40kgへ行けるかどうか?

乳検の数字だけ良くたって片手落ちなんですよね。

乳房炎の損失が少なくて、繁殖も損失を抑えて、

周産期病も抑えて、飼料費も抑えて、

で、この成績であれば、楽しいよね。

がんばれ~。

A

2011年4月19日 (火)

目先のお金

コンサルしているといろんな思いがよぎる。

それをすべて活字にしていいか迷う時もある。

しかし、これを読んで気づく人がいるのなら、

やはり書かなきゃならないとも思う。

そんな思いで書いているのだと察してほしい。

けっして批判ではないのだと理解してほしい。

誤解がないことを望む。

さて、本文へ。

自分でできることは自分でする。

私はこの精神が好きだ。

こと酪農家は、なんでもできるほうがいい。

いや、なんでもできるべきだと思う。

そこが酪農家である充実感であり達成感なのだろうと思う。

それが、Do it yourself の原理原則の精神なのだろうと信じている。

ところが、この精神を「倹約」と勘違いする誤ったケースがある。

倹約とはきれいな表現だが、よどんだ表現をすれば、ケチだ。

修理代をケチリたいがために、

壊れかけた物をいつまでも使うから、作業能率が上がらない。

最大能力を発揮したい肝心の仕事の時、壊れる。

交通事故を起こすかもしれないほど整備不良の車。

毎日使うものなのに、完全に修理しない。

壊れる頻度が非常に多く、そのたび、仕事が止まる。

これらは、およそ倹約とは程遠い。

仕事に支障をきたし、命を脅かすかもしれない状況でも、

経営者は、なにもしない。

それは目先のお金をケチリたいからか?

自分の会社がどこで収益を上げているか、

これを本当に知っていれば、このようなことはしない。

もうひとつある。

それは、自分が仕事をしていないから、というのが理由だ。

もし、毎日毎日、自分がその仕事をしていれば、

毎度毎度壊れる不便さに、嫌気がさすはずだ。

故障が理由で進まぬ仕事に、イライラするはずだ。

能率が上がらない肉体労働が、辛くなるはずだ。

身にしみてわかるはずだが、改善改良がなされないということは、

その大変さ辛さが、自分の身に降りかかってないからなのだろうと思う。

自分でやれば、なにかを変えるはずだが、実際は違う。

やってないのだから、変える気にならない。

目先のお金に固執するあまり、大切なモノを失っている。

そういうケースを見ることがある。

気づき改心して欲しいと思う。

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